老老介護で最も重要なことは、子供やケアマネジャーさんにまず相談することです。そして適切な介護サービスを受けることです。
理由は老老介護によって疲労やストレスが蓄積され、介護を受ける側と介護する側を共倒れにさせたり事故や事件の原因になったりするからです。このようにならないためにも一人で悩まず介護のプロに相談するようにしましょう。
そこで老老介護の相談までのプロセスについて、老老介護に対する気づき、相談しかなったときの事件、相談する施設を紹介します。そして老老介護を知ることで予防策と解決策に結びつけましょう。
<老々介護に対する気づき>
なぜ老老介護に気づきが必要なのでしょうか。
いま介護の大問題として老老介護は、だれでも知っている一般的な言葉になりました。それに老老介護は、介護される側と介護する側が65歳以上であるという意味はわかっているはずです。
ではなぜ老老介護が大問題なのでしょうか。
理由は介護する側が介護の専門職でないので、介助方法の技術や介護の知識がありません。さらに介護の専門職でも疲労が溜まり怪我もするのに、配偶者や両親のために頑張る介護者はもっと酷いことになります。そして苦楽を共にしてきた配偶者や血の繋がりの濃い両親だと、昔のことを思い出し介護状態をすべて受け入れることができず感情的な対応になってしまいます。
最終的には、これがストレスになり精神的なダメージとなり介護する側がうつ状態になっあり冷静な判断が出来なくなります。
つまり老老介護の気づきとは、老老介護を一人で背負うことができないことに気づくことです。そうすれば、きっと介護を受ける配偶者や両親も納得する介護ができるのではないでしょうか。
<老々介護に対する気づき>
厚生労働省は、在宅介護のおよそ半数が老老介護になっていることを、国民生活調査のなかで報告しています。
そのくらい老老介護はここ10年くらいで増加しています。理由は、医学の進歩などよって日本が長寿国になり、両親や配偶者が長生きをするようになったからです。
ところが平均寿命と健康寿命の差が、男性で約9年、女性で約12年もあります。これがすべて介護の年数になると気が遠くなります。
さらに内閣府が報告している「高齢者世帯の世帯構造」と川崎市が報告している「65歳以上の世帯割合」から、高齢者の単独世帯と夫婦だけの世代が多いことが分かります。
つまり両親のどちらか一方か配偶者を介護をする可能性が高いことを示しています。こうなると老老介護は介護する人に責任が集中しやすくなり、これが問題になっていう老老介護の事件など原因と言われています。
<老々介護が原因になっている事件>
ここでは老老介護が原因で先の見えない介護に疲れ、大きな事件となったものを紹介します。もし手に負えない認知症を専門家に相談していたら、適切な介護ができもっと違った方向に進んでいたかも知れない事件です。
・愛知県東郷町の心中事件(2019年)
72歳の夫が81歳の内縁の妻を殺害し、そのあとを追うように夫は自殺した。この夫婦は近所でも仲の良い夫婦と言われていました。しかし妻が足を引きずるようになり、その後に認知症になっています。夫は遺書に「妻が手に負えない、許してください」と書き残したのです。
・神奈川県海老名市の事件
69歳の夫が86歳の妻をフライパンで殴り、それから包丁で刺し殺害した事件です。そして夫は、妻を殺害したあとに自殺を図ったが未遂に終わり逮捕されました。夫は「妻の認知症が重く、このままいきていくには可哀相だと思ったから、一緒に死んであげようと思った」と証言しています。
<老老介護の解決策>
老老介護の解決策は、介護する人と介護される人が65歳以上であれば、まずケアマネジャーさん・訪問医療マッサージ担当者・医師などの介護専門職か医療専門職に相談することです。
なぜなら子供や親類、それに知人や友人に相談する場合、プライドや世間の目を気にしてしまうため情報を漏らさない専門職に相談するのが適切な方法になります。
したがって老老介護がはじまったときに相談し、適切な介護サービルを受けながら介護するようにしましょう。またお金の心配も区役所や市役所に相談すれば、解決策も見つかる可能性が高いです。
<全国的に増える老老介護、川崎市多摩区では?>
・地域包括支援センター(ケアマネジャーさんなどの専門職が相談を受けます)
しゅくがわら 宿川原6−20−19 Tel. 930−5151
よみうりランド花ハウス 菅仙谷4−1−4 Tel. 969−3116
菅の里 菅北浦3−10−20 Tel. 946−5514
多摩川の里 中野島6−13−5 Tel. 935−5531
太陽の園 栗谷2−16−6 Tel. 959−1234
名川和壮寿の里 長沢2−11−1 Tel. 976−9004
・行政窓口
多摩区役所 登戸1775−1 Tel. 044−935−3183
川崎市役所 川崎区宮本超1番地 Tel. 044−200−2678
<まとめ!老老介護だと思ったら直ぐに相談>
老老介護においてもっとも必要なことは、専門家か子供に連絡し相談することです。これは老老介護をしていることに気がつき、自分には解決できない問題であると理解しましょう。できないことを無理にすることが一番危険なことです。
例えば、登山で上級者と中級者しか登れない剱岳や槍ヶ岳に初心者が行くと滑落する可能性が高くなります。そして命に関わる問題になります。
老老介護も同じことで専門職に相談すれば、介護の疲労とストレスが溜まらない方法で援助されます。
老老介護がはじまったときには、必ず介護や医療の専門職に連絡し相談しましょう。